大番では、スポンジ・ゴム・プラスチックなどの素材を活用し、お客様の製品を安全に搬送するための緩衝材やケースを製作しております。私たちの強みは、単にご指定の形状に加工するだけでなく、お客様の用途や課題に応じて、設計段階からご提案できる点です。例えば、収納物をミリ単位で最適化した緩衝材の設計はもちろん、作業効率や安全性に配慮したケース本体の設計にも対応可能です。こうした設計の工夫が活かされた、弊社の対応事例をいくつかご紹介いたします。
工具の種類・本数「だけ」で設計製造
高速道路のインフラ整備を担う企業様よりご相談をいただきました。電動工具ケースにバラバラに収納されていた工具類を効率良く整理整頓し、作業効率を向上させたいとのご要望でした。弊社では、まずお客様が「どの工具を」「どのように収納し、取り出したいか」を丁寧にヒアリングしました。特に、作業効率を左右する工具の取り出しやすさは、お客様のご要望を最大限に尊重した設計にすることが重要です。
作業効率の向上と工具同士の干渉を防ぐ具体的な緩衝材の設計方法として、まず工具の図面とケースの形状を基に、物理的な収納可否を検証。次に、単に収納するだけでなく、運搬中の安定性や使用頻度を考慮しながら最適な向きや配置を調整し、無駄のないレイアウトで設計提案をしました。マキタ製に代表されるように、電動工具のケースはメーカーやモデルによって多種多様ですが、当社ではどのようなケース形状であっても、お客様がお持ちの工具に合わせた緩衝材の設計が可能です。
「映える」梱包をゼロから設計製造
大手フィギュアメーカー様より、展示会で披露される貴重な一点物のフィギュアを、安全に輸送し、かつ美しく展示するための専用緩衝材を製作したいとご依頼いただきました。対象となるフィギュアは、キャラクターの髪の毛や装飾品など、非常に細かく、凹凸が多いのが特徴です。そのため、輸送時の僅かな振動でも破損に繋がりかねない、極めて繊細な製品でした。また、今回は展示会用ということで、単なる保護機能だけではなく、いかにフィギュアを美しく見せるかという演出の視点も同時に求められました。
まず、繊細な製品を振動から守るため、フィギュアの輪郭を忠実にトレースし、作品が中で一切動くことのないよう、余白を極限まで減らした精密な緩衝材を設計しました。これにより、輸送における破損リスクを徹底的に排除します。そして、フィギュア本来の色彩や造形美が際立つよう、光の反射を抑え、高級感を演出するマットダークグレーのウレタンフォームを選定しました。緩衝材の色が主張しすぎないことで、鑑賞者の視線が主役であるフィギュアに自然と集まるよう計算された事例です。
【商品も人もマモルタイン】ための設計製造
陸上自衛隊より、隊員が背負うリュックにドローンとバッテリーを収納するための専用ケースと緩衝材の製作をご依頼いただきました。最大の課題は、激しい訓練の中でも機材を確実に保護しつつ、隊員の身体に危険や負担を与えないことでした。特に、角張ったハードケースでは身体に当たって危険があるため、危険を生まない布製ケースを生地の選定からゼロベースで設計しました。
当然、ケース本体だけではなく、内部の緩衝材にも同様の配慮が必要です。そこで、柔軟性に優れたポリエチレンフォーム(30倍発泡)を選定しました。この素材は表面に傷が付きやすい特性があるものの、お客様へのヒアリングの結果、「見た目の美しさよりも現場での使いやすさを重視する」というお客様の明確なご判断をいただき採用に至りました。まさに、現場の声を最優先に反映した結果です。
図面がなくてもイメージだけでOK!緩衝材・ケースに関する課題は当社にお任せください。
ご紹介した3つの事例は、弊社の多様な提案力の一端をご覧いただけるものです。私たちは単に素材を提供するのではなく、お客様の製品特性やご要望、そして潜在的な課題に寄り添いながら、最適な緩衝材と梱包ケースの設計提案をしています。
お客様への丁寧なヒアリングを通じて最適な製品を形にすることはもちろん、図面がない場合でも、大切な製品や機材をお預かりし、形状をもとに図面を一から作成することも可能です。以下の3点についてお聞かせいただけましたら、スムーズにご提案させていただけますので、お気軽にご相談ください。
[ヒアリングのポイント]
①対象物と使用場所(例:屋内保管用、屋外輸送用、展示会用 など)
②最も重視する機能(例:保護性、作業効率、見た目の演出 など)
③現在お困りの具体的な内容(例:輸送中に動いてしまう、緩衝材が合わない など)